3つの転がりの次に習得するものとして片脚で立つ意識で歩くがあります。
歩いている途中に片脚だけで身体を支えるタイミング(立脚中期)があるのですが、この時にただ普通に立った時と同じ様な形を維持出来ているかを感じます。
膝を痛めている方の多くが身体を支える時に膝を少し曲げて歩いています。
膝が曲がることで関節に大きな負担が掛かることになります。
歩く時に膝にピンと力を入れて伸ばす必要はありませんが、膝をスッと伸ばすように地面に着地して片脚で身体を支えるように練習していきます。
踵で蹴って歩くでも説明させて頂きましたが、余り前へ足を出して歩かないように気を付けます。
後ろ足の親指が転がることで、前足の踵が自然と身体の少し前に着地します。
そして片脚にしっかりと体重を掛けると足裏から頭頂までに一本の線を感じることが出来ます。
これは筋力ではなく骨で支える感覚です。
支えていた足が後ろ足に変わり、足の裏で転がることで反対の足が自然と前に出るを繰り返して左右交互に片脚に立つ様に意識して歩いていきます。
段々と身体を少し前に傾ける意識を持つだけで、脚が勝手に回転していく感覚が出てきます。
この歩き方が出来ますと上下動が少なく身体全体がスーッと滑るような歩行となります。
上下動が少ない為、地面からの衝撃も少なくなり関節などへの負担も軽くなります。
以前にセラピスト仲間と歩いていて「背筋がピンとしていて、ゆっくりと歩いている様に見えるのに。。なぜ?そんなに歩くのが速いのか?」と質問されることがありました。
これは上下動が少なく力感が無い為に、見た目はゆっくり歩いている様に見えたようです。
この歩き方が出来ますと実際には歩行速度も上がったりするのですよね。
以前よりも疲れないのに速く歩ける様になったと感じています。
1歩1歩交互に片足を前に出し、片足に全体重が載ったのを確認してから後ろ足を前に移します。
丁寧にしっかりと前に移した足に体重を載せられたか?を確認して下さい。
外で歩くようにどんどんと進むのではなく、身体の中の感覚を味わって下さい。
しっかりと片足で支えられた時の横から見た姿は片脚で真っ直ぐスッと立った様に見えます。自分で確認するには鏡などを利用して下さい。
支えていない脚を持ち上げた時に頭がグラつくのは、まだ完全に片脚で支えられていない証拠です。
お家で練習して、普段の歩行に少しづつ取り入れてみて下さい。
最初から長時間練習すると慣れないうちは疲れますので無理はしないで下さいね。
3分程度から始めると良いかと思います。
段々と出来る様になると無意識レベルで出来る様になり、疲れ難く気持ちよく歩ける様になるかと思います。
焦らず、身体の中を感じて楽しみながら練習して頂けたらと思います。